「唐揚げを出すと、皮の部分だけ口から出してしまう」
「衣のしなっとした感じが苦手で、せっかく作っても残されてしまう」
食感が苦手なお子さんを育てていると、こんな悩みはありませんか?
我が家の長女(11歳・自閉症による偏食と感覚過敏あり)も、そうでした。
鶏皮はもちろん、衣のベタついた部分、噛んだときの脂のじゅわっと感、ぐにゅっとした筋。すべてが「食べられない理由」になっていました。
それが今では、長女の大好物のひとつが唐揚げです。
メニューが唐揚げだとわかると

よっしゃー!
と喜んでくれるようになりました。
ここに辿り着くまでには、何度もの試行錯誤がありました。
この記事では、我が家が長い時間をかけて見つけた「食感過敏の子でも食べられる唐揚げ」を作るための7つの工夫をまとめます。同じように悩むご家庭のヒントになれば嬉しいです。
- 食感過敏の子が唐揚げを苦手とする具体的な理由
- 我が家が試して効果があった7つの調理工夫(部位・カット・下味・衣・冷凍ストック・提供方法)
- 「無理に食べさせない」ことを前提にした、家庭でできる現実的な対応
なぜ娘は唐揚げが食べられなかったのか
長女は自閉症スペクトラム症候群による偏食と、感覚過敏(特に食感)があります。
食感によって食べられるお肉と食べられないお肉が分かれます。
苦手な理由をひとつずつ振り返ると、唐揚げには長女が苦手な要素が詰まっていることが分かりました。
【娘が唐揚げで苦手だった要素】
- 鶏皮の「ぷるっ」「じゅわっ」とした脂の食感
- もも肉の脂身や筋の「ぐにゅっ」とした感触
- 時間が経って衣がしなっとなったときのベタつき
- 大きすぎて口の中で持て余す塊感
- 下味が薄く、肉そのものの匂いを強く感じる状態
食感過敏のお子さんが、唐揚げの皮や衣を苦手とするのは、わがままではなく特性によるものです。
詳しい背景については別記事にまとめていますので、こちらも合わせてご覧ください。
▶ 関連記事:発達障害の子どもが食感で偏食になる理由|体験談と工夫
我が家が辿り着いた、唐揚げの7つの工夫
ここからは、長女が唐揚げを完食できるようになるまでに辿り着いた、具体的な7つの工夫をご紹介します。すべて家庭で再現しやすいものばかりです。
※この方法は我が家の娘の特性に合わせて行った工夫です。全てのお子さんの特性に合うものではありません。お子さんの苦手な要素を見て、ご家庭ごとに工夫してみてくださいね。
① 鶏皮はすべて取り除く
長女がもっとも苦手だったのが鶏皮です。「ぷるっ」とした脂の感触と、噛んだときに広がる脂の風味が受け付けない様子で、口に入れても吐き出していました。私も鶏皮は苦手です…
そこで、調理前に皮はすべて取り除くようにしました。皮を外すだけでも、唐揚げに対するハードルがぐっと下がります。皮なしでも衣がしっかり付くので、見た目や食べごたえが落ちることもありません。
② 胸肉・ささみを選ぶ
もも肉は脂身や筋が多く、噛んだときに「ぐにゅっ」とした食感が出やすい部位です。長女はこれが苦手でした。
そのため我が家では、胸肉やささみを使うようにしています。
脂が少なく、繊維がほぐれやすいので、口に入れた瞬間のグニュッとした違和感がほぼありません。下味と揚げ方の工夫を組み合わせれば、胸肉でもしっとり仕上がります。
③ 一口サイズ(3cm四方)に切り揃える
大きすぎる唐揚げは、口の中で持て余してしまい、噛むほどに苦手な食感に意識が向いてしまいます。
我が家は、3cm四方くらいの一口サイズに揃えてカットしています。一口で食べきれるサイズだとどこを噛んでもサクサクした衣を噛むことができ、苦手な感覚に触れる回数が少なくなります。
サイズを揃えることで揚げ時間も均一になり、生焼けや揚げすぎも防げます。
小さくするとあげる時間が短くて済むのも、メリットだと感じでいます。
一番初めは1,5cm四方のもっと小さいサイズで作っていました。(ミニストップのクランキーチキンくらいのサイズ)。
食べられるようになってから、徐々に大きめのサイズにしています。段階的に大きくしている理由は、外食や親戚の家で出される唐揚げも美味しく食べることができるようになることを目指しているからです。
④ 下味は酒・醤油・生姜でしっかりめに

下味が薄いと、肉そのものの臭みや風味が前に出てしまい、長女には食べづらくなります。逆に、しっかりした下味がついていると「味そのもの」を楽しめるようになり、苦手な食感への意識が薄れます。
我が家の下味は、醤油と酒を1対1で、生姜を混ぜ込んで臭みを消します。少しだけニンニクを入れる日もあります。
ポリ袋に入れて揉み込み、30分〜1時間以上漬け込みます。生姜の風味が鶏の独特な匂いを和らげてくれるので、感覚過敏のお子さんには特におすすめです。
お子さんの味覚を育てたい、素材の味を覚えさせたいというご家庭には向かない方法です。
あくまで、偏食の特性のある娘が食べられるようになるための工夫ですのでご了承ください。
⑤ 米粉→唐揚げ粉の二段階衣でザクザクに

長女はザクザクとした食感が大好きで、逆にしなっとなった衣を嫌がります。揚げたての軽い衣を再現するために、我が家では衣を二段階で付けるようにしています。
二段階の衣のつけ方
- 下味の水気を軽く切り、まず米粉を薄くまぶす
- その上から市販の唐揚げ粉をしっかり付ける
米粉が下味の水分を抱え込んでくれるので、衣がベタつきにくく、揚げたあともサクッと軽い食感が長持ちします。
市販の唐揚げ粉だけだと衣が剥がれやすかったり、しなっとなりやすいのですが、米粉を一段挟むだけでサクッと仕上がるように感じます。
⑥ 下味済みをジップロックで冷凍ストック

毎回ゼロから作るのは大変なので、鶏肉が安いときにまとめ買いをして、下味を揉み込んだ状態でジップロックに入れて冷凍しています。
ポイント:冷凍中も下味が浸透し続けるので、解凍した頃にはちょうど良い味の染み具合になっています。
食べたいときは自然解凍して衣をつけてあげるだけ。平日の夜でも揚げたて唐揚げが食卓に出せます。「揚げたてを食べさせたい」という思いを、無理なく続ける仕組みになっています。
⑦ 揚げたてをそのまま食卓へ

これが一番大切なポイントかもしれません。子どもたちは「揚げたて」のサクッとした衣を好みます。
我が家では、揚げながらそのまま食卓へ出すスタイルにしています。
揚げ始めたら子どもたちに食卓についてもらって、揚げたてをお皿に移しながら順番に出していく感じです。私は天ぷら鍋の前から離れられないので、ちょっとつまみ食いしながら(笑)
ゆっくり座って一緒に食べることはできないけれど、子どもたちが熱々の唐揚げにかぶりつく様子を見ると、それだけで十分嬉しくなります。
お弁当に入れる場合は?
長女は冷めた唐揚げが苦手なので、お弁当には基本入れません。揚げたてにこだわる長女らしいエピソードのひとつです。
7つの工夫の結果、長女がどう変わったか
これらの工夫を積み重ねた結果、長女は今では唐揚げが大好物のひとつです。「今日は唐揚げ?やった!」と声を上げてくれます。
本人にも感想を聞いてみました。
長女(自閉症による偏食・感覚過敏あり)の感想

ママの唐揚げは皮がないから安心。揚げたてのザクザクが好き。冷めたのはあんまり好きじゃないけど、できたては何個でも食べたい
「皮がないから安心」という言葉が、すべてを物語っているように感じます。苦手な要素を一つずつ取り除いていけば、子どもは自分のペースでちゃんと「食べられるもの」を増やしていける。それを長女が教えてくれました。
大切にしてきたこと|「無理に食べさせない」が前提
ここまで7つの工夫をご紹介しましたが、根っこにあるのは「無理に食べさせない」という前提です。
長女が唐揚げを食べられなかった時期、無理に食べさせることはしませんでした。「食べなくてもいい、でも食卓には出す」というスタンスを続けながら、調理の方を少しずつ変えていきました。
発達障害のあるお子さんの偏食への向き合い方は、「無理強いしないこと」がとても大切とされています。背景や具体的な対応方法は、まとめ記事で詳しくお伝えしていますので、合わせてご覧ください。
まとめ|苦手な要素をひとつずつ外していくと、食べられるものは増えていく

食感過敏のお子さんが唐揚げを食べられないとき、それは「好き嫌い」や「わがまま」ではなく、特性として苦手な感覚に正直に反応しているだけです。我が家の場合は、皮・部位・サイズ・下味・衣・温度という要素を一つずつ調整していくことで、長女が「食べたい」と思える唐揚げに辿り着けました。
- 鶏皮はすべて取り除く
- 胸肉・ささみを選ぶ
- 3cm四方の一口サイズに切り揃える
- 下味は酒・醤油・生姜でしっかりめに
- 米粉→唐揚げ粉の二段階衣でザクザクに
- 下味済みをジップロックで冷凍ストック
- 揚げたてをそのまま食卓へ
同じように悩んでいるご家庭で、ひとつでもヒントになる工夫があれば嬉しいです。お子さんが「食べられる」を一つ増やせる日が、少しでも近づきますように。


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